もぐてっく

人は1つ歳をとるたび、1ビットづつ大きくなれると信じてた。

mikutter on Mac OS XのためにCairoとPangoのオレオレPortfileを作った話

OS X El Capitanへのアップグレードに伴いMacPortsをアップデートしたところ、cairoのQuartzサポートが悪さをする事象が再発しました。

moguno.hatenablog.jp

MacPortsのアップデートでactivateしていた古いパッケージが破棄された模様。

今使ってるsvnから古いPortfileを持ってくる技も今後使えなくなる可能性があるので、いい感じのPortfileを書いて、オレオレで抱え込むようにします。

方針

variantの+quartzが悪さをしているのは確実なのだけれど、+quartzがデフォルトで無効化出来ないようになっているので、その辺りをハックしたPortfileを作ります。

MacPortsにオレオレツリーを追加する。

ここでは、自分のホームディレクトリにmacportディレクトリを作ってそれをオレオレツリーにします。

mkdir ~/macports

vi /opt/local/etc/macports/sources.conf

・sources.conf

  8 # To add a local source, add a "file://" entry.
  9 #
 10 #   Example: file:///Users/landonf/misc/MacPorts/ports
 11 #
 12 # To prevent a source from synchronizing when `port sync` is used,
 13 # append "[nosync]" at the end.
 14 #
 15 #   Example: file:///Users/landonf/misc/MacPorts/ports [nosync]
 16 #
 17 # Note that MacPorts parses source URLs in order; when a port appears in
 18 # multiple sources, it installs the first occurrence. For local sources
 19 # to shadow remote ones, "file://" URLs must come before other URLs.
 20 file:///Users/moguno/macports             ←オレオレツリーのパスを追加

ハックするPortfileをもらってくる。

CairoとPangoを本家ツリーから頂いてきます。

cd /opt/local/var/macports/sources/rsync.macports.org/release/tarballs/ports/

tar cf - graphics/cairo | tar xf - -C ~/macports/
tar cf - x11/pango | tar xf - -C ~/macports/

Portfileの編集

デフォルトで有効になる+quartzをぶっ潰します。

cairo

118     #default_variants        +quartz     ←コメントアウト
119     # Don't allow Quartz support to be disabled. Keep the variant for awhile in
120     # case any dependents are using the active_variants portgroup to check for it.
121     #variant_set             quartz     ←コメントアウト

pango

 62     #default_variants    +quartz     ←コメントアウト
 63     # Don't allow Quartz support to be disabled. Keep the variant for awhile in
 64     # case any dependents are using the active_variants portgroup to check for it.
 65     #variant_set         quartz     ←コメントアウト

最後にPortIndexファイルを作って完成です。

cd /Users/moguno/macports
portindex

インストール

通常通りインストールすると、オレオレツリーを優先して使ってくれます。

sudo port install cairo
sudo port install pango

こんな感じで、x11にのみ+がついていればOKです。

sudo port info cairo pango

cairo @1.14.2_1 (graphics)
Variants:             opengl, quartz, universal, [+]x11     ←これ

Description:          Cairo is a vector graphics library with cross-device output support. It is designed to produce identical output on all output media while taking advantage of
                      display hardware acceleration when available (e.g. through the X Render Extension).
Homepage:             http://cairographics.org/

Extract Dependencies: xz
Build Dependencies:   pkgconfig
Library Dependencies: libpixman, glib2, fontconfig, freetype, libpng, zlib, expat, xrender, xorg-libXext, xorg-xcb-util
Conflicts with:       cairo-devel
Platforms:            darwin, macosx
License:              LGPL-2.1 MPL-1.1
Maintainers:          ryandesign@macports.org
--
pango @1.38.0 (x11)
Variants:             quartz, universal, [+]x11     ←これ

Description:          The goal of the Pango project is to provide an open-source framework for the layout and rendering of internationalized text.
Homepage:             http://www.pango.org/

Extract Dependencies: xz
Build Dependencies:   pkgconfig
Library Dependencies: glib2, cairo, harfbuzz, gobject-introspection, Xft2
Conflicts with:       pango-devel
Platforms:            darwin
License:              LGPL-2
Maintainers:          ryandesign@macports.org, openmaintainer@macports.org

これで安定してMacでmikutter出来ますね。

Bonjour for Windows不要!Windows10マシンに".local"でアクセスしよう!

2017年10月24日追記

Fall Creator UpdateではmDNSのサポートが外されているっぽいです。

はじめに

家庭内LANのIPアドレスの管理って面倒ですよね。

一般のご家庭はDHCPから払い出されたのを空気の様に使ってればいいですが「家庭内サーバを立てよう!」とか変な気を起こすと、固定IPアドレスの管理を未来永劫しいられる事になります。

仮想マシンがぽこぽこ増えたり減ったりするこのご時世。めんどいですね!!

そんなあなたに朗報です。

Windows10でサーバレス&オープンなホスト名解決の仕組みであるmDNSがサポートされました。

情報ソースはこちらです。
仮想化雑記帳: Windows 10 and Bonjour

Macで言う所のBonjour。*NIXで言う所のavahiですね。

Windows8まではmDNSを使うためにiTunesもしくはBonjour Print Services for Windowsに含まれるBonjour for Windowsをインストールする必要があったので、今回の標準搭載はかなり嬉しいです。

情報ソースはプレビュー版での検証ですが、製品版でもちゃんと実装されています。
しかしながらプレビュー版と同じく、デフォルトではファイアウォールがmDNSのパケットを捨てています。(意味なくね?)

今回はmDNSを有効化するために、GUIからWindowsファイアウォールの設定変更をやってみようと思います。

Windowsファイアウォールの設定

コントロールパネルを起動する

Windows10ではアクションセンターの「すべての設定」が公式の設定画面になっていますが、できる事が異様に少ないので昔ながらのコントロールパネルも現役です。

左下のWindowsボタンを右クリックして「コントロールパネル」を起動して下さい。

f:id:moguno:20150912085411p:plain

Windowsファイアウォールの設定画面を起動する

f:id:moguno:20150912090211p:plain

こんな感じの画面が出てきます。

f:id:moguno:20150912090748p:plain

セキュリティが強化されたWindowsファイアウォール画面を起動する

ウインドウ左側の「詳細設定」を選択して「セキュリティが強化されたWindowsファイアウォール」を起動します。

f:id:moguno:20150912091155p:plain

この「殺意の波動に目覚めた志保」みたいなネーミング、嫌いじゃないです。

f:id:moguno:20150912090425p:plain

受信規則の作成

それでは本題。mDNSのポート5353/UDPを許可するルールを作ります。

ウインドウ左側の「受信の規則」を右クリックして「新しい規則」を選択します。

f:id:moguno:20150912091316p:plain

「ポート」を選択します。

f:id:moguno:20150912092145p:plain

  • UDP
  • 特定のローカルポート:5353

f:id:moguno:20150912092341p:plain

「接続を許可する」を選択。

f:id:moguno:20150912092427p:plain

ホスト名解決だけならいいだろうと適用範囲は全部にしました。

f:id:moguno:20150912094514p:plain

適当な名前を付けて完了です。

f:id:moguno:20150912092559p:plain

テスト

上記情報ソースに書かれている様に、別の端末から"ホスト名.local"にpingを打ってIPアドレスが引けているか確認して下さい。

$ ping venue8.local
PING venue8.local (192.168.11.12): 56 data bytes

Mac OSXをお使いの方は、dns-sdコマンドでも確認できます。

$ dns-sd -G v4 venue8.local
DATE: ---Sat 12 Sep 2015---
 9:28:57.904  ...STARTING...
Timestamp     A/R Flags if Hostname                               Address                                      TTL
 9:28:58.218  Add     2  4 venue8.local.                          192.168.11.12                                60

最後に

Windows10のmDNSサポートのおかげで、Mac、*NIX、Windowsを横断したホスト名解決がスマートに実現可能になりました。

家庭内サーバであればIPアドレスを固定することなく運用が可能です。

後はAndroidとルータがmDNSを喋れれば、本当にIPアドレスを意識しない家庭内LANになるんですけどね。

タブが隠せる!史上最強のmikutterプラグインができたよ!

なにこれ?

タブを隠すことができます。

はぁ?舐めてんの?

違います!これすっごい可能性を秘めてると思うんですよ!

Bot用のどうでもいいタブを消す

今年の正月に書いたエントリで、時刻を吐くデータソースをトリガにして定期的にツイートを行うBotの作り方をご紹介しました。

moguno.hatenablog.jp

しかしこの方式では「たまに時刻が表示されるどうでもいいタブ」を保持しないといけません。

f:id:moguno:20150909221951p:plain

ダサいなぁ・・・邪魔だなぁ・・・と思いながら9ヶ月。

GTKのマニュアルを見る限りNoteBookのタブを隠すメソッドは無いのですっかり諦めてたんですが、昨日、偶然にもその方法を編み出す(※)事に成功した訳です。

(※別件で英語の知恵袋読んでたら見つけた。)

これで変ちくりんなBotを量産してもタブを圧迫することがなくなりました。いえい。

標準タブを置き換える

このプラグインの可能性は他にもあります。

例えば「オプションで日本語のツイートのみを検索できるタブ」プラグインを作ったとします。

f:id:moguno:20150909222136p:plain

その場合、当然ながら「標準の検索タブ」と「プラグインのタブ」が同居した中途半端な状態になります。

f:id:moguno:20150909222200p:plain

でも、このプラグインで標準の検索タブを隠せば、結果的に標準機能を置き換えたように見えます。

オリジナルmikutterは新しいステージへ。これが何気に大きいと思ってます。

ボスが来た

エッチなタブをお母さんから守ろう!

f:id:moguno:20150909222452p:plain

ておくれを辞めたい

このまま全部のタブを消したら、ておくれの呪縛から解放されるかもしれませんね。

f:id:moguno:20150909222741p:plain

・・・まで書いて、ゆめにっきのエンディングを思い出したよ。なむなむ。

インストール

GitHubからzipファイルをダウンロードして適当なディレクトリに展開して下さい。

moguno/mikutter-hide-tab · GitHub

※mikutterプラグインマネージャ"Packaged"で"moguno"を検索してインストールするのもおすすめです。

使い方

  • タブを右クリックして「タブを隠す」を選択するとタブが隠れます。

f:id:moguno:20150909223119p:plain

  • タブの再表示は、ウインドウ下部のまりもボタンから行います。

f:id:moguno:20150909223222p:plain