もぐてっく

人は1つ歳をとるたび、1ビットづつ大きくなれると信じてた。

Ubuntu15.10でterminologyを使う

ふと、mikutterをBot的に使うために必要最低限のパッケージで構成したコンテナを作りたいなと思いました。

ベースは Ubuntu Server15.10(大好き)。

vnc経由で軽量なウインドウマネージャと適当なターミナルを使えるようにして、後はmikutterのインストールかなと。

ウインドウマネージャはFluxbox。ターミナルはUbuntu15.04からパッケージ化された未来的オシャレ端末terminologyにしました。

そこでちょびっとハマった時のメモです。

terminologyがFluxboxのメニューに出てこない!

次のコマンドでFluxboxとterminologyをインストールしました。

apt-get install fluxbox terminology

しかし、Fluxboxのメニューにterminologyが追加されませんでした。

試しに別のターミナルxterm、gnome-terminalを入れるとメニュー登録される。
逆にデスクトップ環境XFCE4を導入するとterminologyがメニューにちゃんといる。

謎。

UbuntuにおけるGUIメニューシステム

調べてみると、Ubuntuにはアプリケーションをデスクトップ環境のメニューに追加する仕組みが大きく2系統あることがわかりました。

freedesktop.org

デスクトップ環境を設計する上で、守ったほうがいいお約束をfreedesktop.orgと言う団体がまとめています。
このお約束に沿っていれば、例えばGTK製アプリとQtアプリで連携が取れるようになったり、各種設定ファイルがGnomeKDEで共有出来たりします。

ランチャーのメニュー項目についてもfreedesktop.orgに規定があり、アプリケーションはメニュー項目を定義した*.desktopファイルを用意することで、freedesktop準拠のデスクトップ環境のメニューにアプリケーションを登録できます。

先ほどのXFCE4も freedesktop.org準拠のデスクトップ環境です。

Debian Menu System

とは言え、昔ながらのデスクトップ環境(とかランチャー付きのウインドウマネージャ)はfreedesktop.orgに準拠していないものも多いです。

これらのデスクトップ環境では、ユーザ自身がメニュー定義を編集してアプリケーションを登録する必要があります。

それはさすがに面倒だよねということで、Debian系のディストリビューションにはDebian Menu Systemと言う仕組みがあります。

これはfreedesktop.orgのdesktopファイルと同等に、アプリケーション提供側がメニューファイルを用意します。
そしてupdate-menuコマンドでメニューファイルを元に各種デスクトップ環境用のメニュー定義が生成できるというものです。

古き良きBlackbokの流れを組むFluxboxはこっちのグループです。

つまり

今回のterminologyのパッケージにはfreedesktop.orgのterminology.desktopは収録されていたけれど、Debian Menu Systemのメニューファイルが入っていなかったのが原因です。

対策

Debian Menu Systemのメニューファイルを書きました。

/usr/share/menu/terminology

?package(terminology): \
        needs="X11" \
        section="Applications/Terminal Emulators" \
        title="Terminology" \
        command="/usr/bin/terminology" \

めっちゃかっこいい

無事、Fluxboxでterminologyが起動できました。
カーソルが怪しい青白の光を放っていたり、ベルの代わりに赤色灯が回ったりします。
Fluxboxのテーマともあつらえたように合ってますね。かっこいい。

f:id:moguno:20160214222225p:plain

Yet Another 実行中のmikutterにコードを流し込むやつを作ったよ

何これ?

明けましておめでとうございます。

これは「あー正月ってテレビもつまんないしマジすることないよねー」カレンダー (なにそれ?)1日目の記事です。(1年ぶり2記事目)


今回は「起動中のmikutterに外部から任意のコードを流し込むプラグイン&コマンド」を作ったのでその紹介をば。

これ、コンセプトは@toshi_aさんのmikutter-modeと同じで、プラグインを改造するたびにmikutterをいちいち再起動したくないよねと言うところです。

じゃあなんで再発明してんだよ溜まってるIssue処理しろよ最近お前の腹の出方ヤバイだろ痩せろよ?のかと言うと、

もぐのがMacDBusを動かせなかった

mikutter-modeがプロセス間通信に使っているLinux御用達フレームワークDBusが、もぐののMacではなんかエラーになるんですよね。
なので、今回は古のRuby標準ライブラリであるdrubyでプロセス間通信を実現しました。

もぐのがvim

mikutter-modeはEmacsLISPで実装されてる所がいっぱいあって、vimで使うにあたってよくわかんなかったので。
せっかくなので、エディタに依存しない仕組みにすることにしました。

(ちなみにmikutter-modeのvim移植は2GMonさんによる実装があったりします。)
github.com

インストール

GitHubからzipファイルをダウンロードして、プラグインディレクトリにmikutter-code-injectorと言うディレクトリ名で展開して下さい。

moguno/mikutter-code-injector · GitHub

※mikutterプラグインマネージャ"Packaged"で"moguno"を検索してインストールするのもおすすめです。

使い方

普通にmikutterを起動する。

ごく普通にmikutterを起動してください。

見た目には変化はありませんが、netstat -aするとこんな行が増えてたりします。

tcp6       0      0  localhost.39311        *.*                    LISTEN

コードを送り込む

~/.mikutter/plugin/mikutter-code-injector/にmktrと言うコマンドがあります。
そのmktrの標準入力にRubyコードを流し込んでみてください。
起動中のmikutterでコードが実行されます。

実行できるコードに制限はなく、mikutterのフル機能を操作できます。

仕組み的にはmikutterのトップレベルbindingをdrubyで公開しておいて、mktr側でそれを取得。
んで、取得したbindingのevalを呼ぶとmikutter側でコードが実行されると言う寸法です。

それでは試しに、コマンドラインからつぶやいてみましょう。

echo 'Service.primary.post(:message => "みくっ")' | ./mktr

f:id:moguno:20151121103409p:plain

ちゃんとつぶやけましたね。
速攻で複数人からふぁぼられてるのは弊TLの仕様です。

vimから使ってみる。

もぐのはvimスクリプトが書けない人なので、mikutter-modeの様なvimとの統合機能は作り込んでません。
て言うか、vimではこんな風に現在のバッファをmktrの標準入力に流し込むことが出来るので、これでいっかーな感じになってます。

:w !./mktr

これで本格的なプラグイン開発にも対応できますね。

f:id:moguno:20151121111310p:plain

現状の制限として、mikutter起動時のイベントon_bootはコード流し込み時には実行されません。
この辺はなにか工夫できたらいいなと思ってます。

IPアドレス固定なしで家庭内サーバをインターネットに公開できるデーモンを作ったよ

何これ

自宅サーバを公開したい!
→ルータのポートマッピングを設定しないといけない!
→サーバのIPアドレスを固定しないといけない!
→IPアドレスの管理めんどい!DHCPのまま公開したい!

と言う、おおよそサーバ管理者に向かないものぐさ思考をUPnPを使って解決することにしました。

UPnPとは、ネットワーク内でのサービス提供者の発見、サービス内容の公開、リモートプロシージャコールを行う仕組みです。10年以上前からあるふっるい技術ですね。

当時はWebサービスマッシュアップ技術の本命だったのですが、結局、サービス探索なんてあんま使わないじゃん。RPCはシンプルなRESTでいいじゃん。となって流行る前に忘れられた感があります。

そんなわけで、UPnPを使ってて広く実用化されているのはルータのポート開放とDLNA位と言うのが現状です。

UPnPでのポート開放は通常はメッセンジャーなどのアプリケーションが自分用のポートを開けるために使用しますが、今回、これを使って任意のポートを制御するデーモンを作ってみました。

こだわったところ

mDNSとの親和性

mDNS(avahi、bonjour)を使えば、ローカルなDNSサーバがなくとも「ホスト名.local」と言う名前で端末にアクセスできるようになります。これを使えばDHCPでころころIPアドレスが変わる端末にも、ホスト名でアクセスできるということです。素晴らしい。

今回作ったデーモンはこの素晴らしいmDNSとの連携を意識した設計になっています。

デーモンは定期的にホスト名を正引きして、IPアドレスが変わっていた場合はルータにポートマッピングの再登録を行います。
この動きにより、ポート転送先サーバとして「ホスト名.local」を指定していれば、たとえサーバのリブートでDHCPから払い出されるIPアドレスが変わったとしても、ポート転送を追従させることができます。

これによって当初の「DHCP環境でもサーバ公開したい!」が達成できるというわけです。

集中管理にも分散管理にも使えます

このデーモンはデーモンが動作しているサーバへのポート転送の他に、別のサーバへのポート転送も設定することができます。

なので、管理サーバ立ててネットワーク内のすべてサーバのポートマッピングを集中管理することもできますし、それぞれのサーバでデーモンを動かして各サーバに自分が使うポートの管理を任せることもできます。

ダウンロード

github.com

インストール

Ruby開発キットをインストールする

apt-get install ruby ruby-dev build-essential

mupnp gemをインストールする

gem install mupnp

設定ファイルを編集して/etc/にコピーする

cp -p pnp_portmapd.conf.sample /etc/pnp_portmapd.conf

デーモンを起動する。

./pnp_portmapd

設定ファイル

YAML記法になってます。
JSONと違ってコメントが書き放題なのが良いですね。

# 設定
Settings:
  # ポートマッピング更新周期(秒)
  Period: 5

# ポートマッピング定義
PortMapping:
  # 転送先ホスト名
  akari.local:
   - ExtPort: 82   # 外部ポート
     IntPort: 81   # 転送先ポート
     Protocol: TCP # プロトコル(TCP/UDP)
   - ExtPort: 100
     IntPort: 101
     Protocol: UDP

  alicia.local:
   - ExtPort: 101
     IntPort: 102
     Protocol: UDP

この設定を適用すると、うちのルータではこんな感じになります。
akari.localが192.168.11.17、alicia.localが192.168.11.11です。
両者ともIPアドレスDHCPから払い出されたものであり、IPアドレス固定なしでサーバが公開できています。

f:id:moguno:20151126120957p:plain

ログファイル

/var/log/pnp_portmapd.logです。
ルータに設定を行うたびにINFOメッセージを出しているので、眺めてると楽しいです。

ライセンス

License: 3 clauses BSDとやらにします。