もぐてっく

人は1つ歳をとるたび、1ビットづつ大きくなれると信じてた。

Alcohol52%のイメージファイルmdf + mdsをwav + cueに変換する

前回めでたく成功したbin + cue→wav + cue変換。

bin + cueをwav + cueに変換する - もぐてっく

でも、うちのライブラリはbin + cueじゃなくてAlcohol52%ネイティブのフォーマットであるmds + mdfファイルなのよね。

ひとつずつ再変換しても良いんだけど、超面倒だよね。うん。面倒だ。

まぁ、mdfとbinは完全互換なのは調査済みだから、後はmdsファイルを適当にパースしてcueファイル作れば良いんじゃね?

(mdsファイルをテキストエディットで開く)

バババ、バイナリィィィィィィィィィィィィィィ!?


バイナリファイルでした(泣)。


でも、こんなことではめげません。めげずに調べます。


mdsファイルのデータ構造はここにドキュメントがあるのですが、所々計算が間違っててどうも怪しいです。

http://developer.berlios.de/docman/display_doc.php?docid=840&group_id=2545

なので、大変参考にしつつ(ありがとうございます)hexdumpとにらめっこしながらそれっぽい構造体を作ってみました。


これでmdsファイルの中身が読めるようになりました。
でも、それだけではダメでした。ダメダメでした。

mdsのdata_blockに格納されてる値でcueファイルを作ると、全体的に2秒ずれてしまいました。単純に2秒引けば良いんですけど、なにかとてもきもち悪いから調べてみました。


なんでも、CD-DAは「きかくじょう」、トラック1の前に2秒(150フレーム)の無音区間(プリギャップ)が必要なのだそうです。

そして、その2秒の無音区間は無駄なので、mdfファイルからは削られてます。

でもでも、mdsは2秒のプリギャップを削る前のタイムスタンプを保持しているので、件のズレが発生します。

多分ヘッダのpregap_corrに入ってる-150が削ったプリギャップだと思うので、これを75で割って引き去るようにしました。


はい。これで出来ました。

moguno/mdsmdf2cuewav · GitHub

第一引数にmdsファイルを指定すると、同じフォルダにcueファイルとwavファイルが出来ます。


これで本気でWindowsが捨てられる準備が出来ましたv

bin + cueをwav + cueに変換する

約1ヶ月半にMacBook Airを買って、現時点での究極のGUIを堪能している今日この頃ですが、一つだけ不満が・・・。

MacってCD-DAのイメージファイルをマウント出来る仕組みが無いのよね。

Windows時代に物理的耐用年数(20年)を過ぎたCD達をイメージ化してたんだけど、これが死んでしまうのは非常に痛い。

LINDBERGのEXTRA FLIGHTとかFlight Recorderとかが聞けなくなったらと思うと、もうウルウルっす・・・。

ウルウルしながら調べたところ、XLDってフリーソフトを使えばwav + cueファイルを分割してiTunesに登録してくれることを発見。やった。

ああ、でも愛用のAlcohol52%はcueシート付きのイメージファイルが作れるけど、イメージ本体はbinファイルなのでアウト。

号泣しながらさらに調べたところ、binとwavの差はRIFFコンテナへの格納有無だけらしいので簡単に変換出来そう。

よし、bin + cueファイルをwav + cueファイルに変換してみよう!

やることの説明

CD-DAのイメージファイルであるところのbinファイルは、CD-DAの内容を44.1kHz、16bit、2チャンネル(ステレオ)のPCM形式で保存したものです。サウンドレコーダでいう「CDの音質」と言う奴です。
(CDなんだから当たり前ですが。てか最近の子ってサウンドレコーダ知ってんの?)


一方のwavファイルは、RIFFコンテナに格納されたサウンドデータです。
RIFFはチャンク構造を持っており、名前付きの可変長データを複数格納出来るようになっています。

[RIFFヘッダ][チャンクヘッダ1(チャンク名)(データサイズ)][データ1][チャックヘッダ2(チャンク名)(データサイズ)][データ2]・・・

最近の概念だと、キーバリューストアだと思ってもらったら良いです。

さて、RIFFについて何となく理解したところで、wavファイルを形成するためのチャンクを見ていきます。

最低限必要なチャンクは"fmt"と"data"の2つ。

先に書いたサンプリングレートその他の情報はイメージファイルからは推測が不能なため、"fmt"チャンクにフォーマットの情報を格納する必要があります。
そして、肝心のデータは"data"チャンクに格納します。

受け売り文献:wav ファイルフォーマット


と、言う訳でbinファイルをwavファイルに変換するには、以下の情報を納めたファイルを作れば良いことになります。

  1. RIFFヘッダ(ファイルサイズ以外は固定データ)
  2. fmtチャンクヘッダ(固定データ)
  3. フォーマット情報(固定データ)
  4. dataチャンクヘッダ(データサイズ以外は固定データ)
  5. binファイルの内容(可変データ)


割と簡単。

実装してみた

複雑なことはしなくても良いので、シェルスクリプトで変換することにしました。
ついでにcueシート内のイメージファイル名の変換機能も付けました。

#! /bin/sh

encode_int32()
{
	X01000000=`printf %d 0x01000000`
	X00010000=`printf %d 0x00010000`
	X00000100=`printf %d 0x00000100`

	printf '\\x%x' `expr $1 % $X00000100`
	printf '\\x%x' `expr $1 / $X00000100 % $X00000100`
	printf '\\x%x' `expr $1 / $X00010000 % $X00000100`
	printf '\\x%x' `expr $1 / $X01000000 % $X00000100`
}


bin2wav()
{
	WAVE_SIZE=`wc -c "$1" | cut -f2 -d " "`
	SIZE=`expr 48 + $WAVE_SIZE - 8`

	HEAD_1=RIFF
	HEAD_2=`encode_int32 $SIZE`
	HEAD_3='WAVEfmt \x10\x00\x00\x00\x01\x00\x02\x00\x44\xAC\x00\x00\x10\xB1\x02\x00\x04\x00\x10\x00data'
	HEAD_4=`encode_int32 $WAVE_SIZE`

	printf "$HEAD_1$HEAD_2$HEAD_3$HEAD_4" > "$2"
	cat "$1" >> "$2"
}


rewrite_cue()
{
	mv "$1" "$1"_bin2wav
	echo FILE \"$2\" WAVE > tmp
	tail +2 "$1"_bin2wav >> tmp
	mv tmp "$1"
}


cd `dirname "$1"`

CUE_EXT=`echo "$1" | sed -E 's/^.+(\.[^\.]+)$/\1/g'`
BASENAME=`basename "$1" $CUE_EXT`

if [ "$CUE_EXT" == ".cue" ];then
	BIN_EXT=".bin"
	WAV_EXT=".wav"
elif [ "$CUE_EXT" == ".CUE" ];then
	BIN_EXT=".BIN"
	WAV_EXT=".WAV"
else
	echo Invalid cue file > /dev/stderr
	exit 1
fi

bin2wav "$BASENAME$BIN_EXT" "$BASENAME$WAV_EXT"
rewrite_cue "$BASENAME$CUE_EXT" "$BASENAME$WAV_EXT"


第一引数にcueファイルのファイル名を指定してやれば、めでたくXLDで読めるwav + cueが完成します。

Raspberry Pi meets XBMCなRaspbmcを無線アクセスポイント化してみた

Raspberry Piって超軽いから、出張に持って行っても苦にならないよね。

これをホテルに持ち込んでテレビに接続してAirPlayで動画を見れる様にしたら¥1,000/泊のメディア費削減になるんじゃね!

ついでにこれが無線ルータになったら、ホテルのネット回線も使い放題!超実用的!!

AirPlayはRaspbmcと言うRaspberry PiをXBMC箱にするディストリを使えば可能。
これに出っ張らないUSB無線LANをつなげてアクセスポイントにしてやればいいね。

と、言う訳でRaspbmcの無線アクセスポイント化スタートです。

用意するもの

・Raspbmc導入済みのRaspberry Pi(Model B、256MB版)
・PLANEX GW-USNano2

PLANEX ハイパワー無線LAN ゲーム機用 Wi-Fi USBアダプタ GW-USNANO2-G

PLANEX ハイパワー無線LAN ゲーム機用 Wi-Fi USBアダプタ GW-USNANO2-G

USB無線LANRealtekのRTL8192CUチップを指名買い。たまたまじゃんぱらで安かったPLANEXのGW-USNano2にしました。

指名買いの理由は、Linuxでのアクセスポイント利用をサポートしてた(公式ドライバに専用のhostapdが同梱されてる)から。独自改変したhostapdを使うってのはなんかダサいんですが、裏を返せばこのチップ専用にフィッティングされてる訳で、細かいトラブルを避けられると思った次第。

ドライバのダウンロード

まずはブラウザの使えるクライアントでRealtekのサイトにアクセスして、RTL8192CUのドライバを取ってきます。今回はRTL8192xC_USB_linux_v3.4.4_4749.20121105.zipを使います。

RaspbmcにはRTL8192CUのドライバが標準で入っているので、今回使うのはこの中のhostapdだけです。

取りあえずRaspbmcにログイン

Raspbmcが起動したのを確認して、sshでアクセスします。
AvahiやBonjourが生きてる環境なら名前でアクセス出来るから超便利。なんでWindowsはサポートしないんだろ。

なお、パスワードはraspberryです。

$ ssh pi@raspbmc.local


初回ログイン時にロケールとかタイムゾーンとかを訊いてきますが、まあお好みで。
(ここでははen_US.UTF-8とAsia/Tokyoにしました。)

今後sudoが面倒なのでrootになっておきます。
(なんかいい方法があったはずだけど忘れた。)

$ sudo su -
#


後、別の端末を開いてさっきダウンロードしたドライバをRaspbmcに転送しときます。

$ scp -p ~/Downloads/RTL8192xC_USB_linux_v3.4.4_4749.20121105-1.zip pi@raspbmc.local:/tmp/

必要なパッケージをインストール

ここからはRaspbmcにログインした端末での作業です。
hostapdのコンパイルに必要なパッケージとお手軽DHCP&DNSサーバであるところのdnsmasqを導入します。

# apt-get update
# apt-get install unzip build-essential dnsmasq

専用hostapdのインストール

なぜかzipなアーカイブを解凍しつつ、最深部(※)にあるソースコードをコンパイルすればこのステージはクリアです。
(※:パスが100文字超になって笑けます。)
途中に設定ファイルのテンプレートが落ちているので、忘れずにゲットして/etc/にコピーしておきましょう。

# unzip /tmp/RTL8192xC_USB_linux_v3.4.4_4749.20121105-1.zip
# cd RTL8188C_8192C_USB_linux_v3.4.4_4749.20121105/wpa_supplicant_hostapd/
# cp -p rtl_hostapd_2G.conf /etc/hostapd.conf
# unzip wpa_supplicant_hostapd-0.8_rtw_20120803.zip
# cd wpa_supplicant_hostapd-0.8/hostapd/
# make
# make install

/etc/hostapd.confの修正

さっき手に入れた設定ファイルをカスタマイズします。
WPSがONだとWPA設定でもWEPのアクセスポイントになってしまうのでWPSを切ります。

 13 ##### Wi-Fi Protected Setup (WPS) #############################################
 14
 15 eap_server=1
 16
 17 # WPS state
 18 # 0 = WPS disabled (default)
 19 # 1 = WPS enabled, not configured
 20 # 2 = WPS enabled, configured
 21 wps_state=0      # 2→0

にっくきNetworkManagerとの戦い

近頃クライアント系で流行のNetworkManager。
GUIで設定が出来たり、ケーブル接続時に通知メッセージが出たりとかで格好良いんですけど、そいつが古き良きネットワーク設定の仕組みを見事にぶち壊してくれています。
ifconfigでIPアドレス設定してても、LANケーブルを抜いたらそれが吹っ飛ぶとか勘弁して欲しいです。

今回も例によってNetworkManagerがしっかり無線LANを管理しちゃってて、hostapdの動きをことごとく邪魔してくれやがります。シネバイイノニ。

しかしながら安易にNetworkManagerを停止させると今度はRaspbmcのXBMCが文句を言い出すので、今回はなんとか共存の道を探らねばなりません。

爆乳の魔王が相手なら和平交渉も楽しいんでしょうが、相手バイナリファイルだし。面倒いなぁ。

まぁいいや。んでは、色々ファイルを書き換えていきます。

/etc/NetworkManager/NetworkManager.confの編集


「ごめんなさい。そして、ありがとうございました。
 私に、私のwlan0を返してください。それは私が背負うべき物でした。」


などと、NetworkManager様に丁重にお願いします。ちっ。

あらかじめ、ifconfigで無線インターフェースのMACアドレスを控えておきます。

# ifconfig wlan0
wlan0     Link encap:Ethernet  HWaddr 00:22:cf:b7:a5:da  ←コレ
          UP BROADCAST MULTICAST  MTU:1500  Metric:1
          RX packets:0 errors:0 dropped:0 overruns:0 frame:0
          TX packets:0 errors:0 dropped:0 overruns:0 carrier:0
          collisions:0 txqueuelen:1000
          RX bytes:0 (0.0 B)  TX bytes:0 (0.0 B)


メモしたMACアドレスをNetworkManagerの管理対象外にします。

  1 [main]
  2 plugins=ifupdown,keyfile
  3
  4 no-auto-default=B8:27:EB:9B:C0:8C,
  5
  6 [ifupdown]
  7 managed=false
  8
  9 # 以下追加。11行目のmac以降は調べたMACアドレス
 10 [keyfile]
 11 unmanaged-devices=mac:00:22:cf:b7:a5:da


これを保存すると即座に対象のインターフェースがダウンするので、その誠実さにちょっと感激したりしました。

/etc/network/if-up.d/secure-rmcの編集

まだいました!お邪魔設定ファイル!

こやつはifupしたタイミングで実行されて、そのインターフェース用の基本的なnetfilterルールを設定しやがります。
(インターフェースのサブネットからのパケットはACCEPT、それ以外はDROP。)

通常の用途だと毒にも薬にもならないルールですが、今回のアクセスポイント化に当たっては、クライアントからのDHCPパケット(0.0.0.0→255.255.255.255)が捨てられてしまうのでダメダメです。

# こいつのせいでifupで立ち上げたらうまくDHCPIPアドレスが取れなくて、ifconfigでなら正常動作と言う謎の動作になって数時間悩んだよ。。。

ルールを追加してやります。

125 logger -t iptables "Configuring ip tables for interface $IFACE"
126 if [ "$IFACE" != "lo" ]; then
127     NETMASK=$(get_subnet $IFACE)
128     iptables -A INPUT -s $NETMASK -i $IFACE -j ACCEPT
129     # DHCPを許可するルールを追加
130     iptables -A INPUT -s 0.0.0.0 -i $IFACE -j ACCEPT
131     iptables -A INPUT -i $IFACE -j DROP
132 fi

/etc/network/interfacesの編集

ここからは前向きな設定作業です。
無線インターフェースのIPアドレス他を設定していきます。
hostapdのinitスクリプトを書くのが面倒なのでpost-up/pre-downで起動・停止を制御することにします。
さらに、IPマスカレードの設定も入れときます。

interfaces超便利!

  1 allow-hotplug wlan0
  2
  3 iface wlan0 inet static
  4     address 192.168.0.1
  5     netmask 255.255.255.0
  6     broadcast 192.168.0.255
  7     network 192.168.0.0
  8     post-up /usr/local/bin/hostapd -B /etc/hostapd.conf
  9     post-up iptables -t nat -A POSTROUTING -o eth0 -s 192.168.0.0/24 -j MASQUERADE
  9     pre-down kill `pidof hostapd`
 10     pre-down iptables -t nat -D POSTROUTING -o eth0 -s 192.168.0.0/24 -j MASQUERADE


なぜかauto wlan0ではインターフェースが上がらなかったので、allow-hotplugにしてます。

/etc/dnsmasq.confの編集

無線インターフェースに対するDHCPサーバの設定を行います。

90行目のinterfaceのコメントを外して、wlan0を指定します。
これを忘れると家中のIPネットワークが混乱の渦に巻き込まれるので注意。

 86 # If you want dnsmasq to listen for DHCP and DNS requests only on
 87 # specified interfaces (and the loopback) give the name of the
 88 # interface (eg eth0) here.
 89 # Repeat the line for more than one interface.
 90 interface=wlan0


147行目のdhcp-rangeのコメントを外します。

143 # This is an example of a DHCP range where the netmask is given. This
144 # is needed for networks we reach the dnsmasq DHCP server via a relay
145 # agent. If you don't know what a DHCP relay agent is, you probably
146 # don't need to worry about this.
147 dhcp-range=192.168.0.50,192.168.0.150,255.255.255.0,12h

/etc/sysctl.d/ipv6.confの新規作成

RaspbmcのAirPlayでハマったでござる - もぐてっく

で、書いたAirPlayのためのIPv6無効化を行っておきます。

  1 net.ipv6.conf.all.disable_ipv6 = 1

/opt/xbmc-bcm/xbmc-bin/share/xbmc/addons/script.raspbmc.settings/autostart.pyの編集

Raspbmcはリセットボタンを押さずに電源を引っこ抜くと、次回起動時に

「ちゃんと画面端のパワーボタン押して終了せぇやボケぇ!死ぬかと思たわ!!」

と、怒られます。

その主張はごもっともなんですが、外出先でこのダイアログが出たら消す方法が無いので、当該コードをコメントアウトします。

126 #       if DISTRO == "Raspbmc" and os.path.isfile("/home/pi/.bootstatus") and check_service_running("wd") == "true" and not os.path.isfile("/home/pi/.nowarning"):
127 #             import xbmcgui
128 #             dialog = xbmcgui.Dialog()
129 #             dialog.ok("Raspbmc did not shut down properly", "Raspbmc should always be shut down via the\npower icon in the lower left corner")

リブート!

これでRaspberry Piの無線AP化は完了です。リブートして成果を確認します。

お手持ちの無線クライアントを見ると、rtwapってアクセスポイントが増えています。
パスワード87654321で接続出来れば成功です!